関節リウマチかと思ったら実は更年期関節痛だった

更年期にさしかかると関節痛を患う女性が増えてくるようです。決して他人事ではなく私も手の指関節のしびれや身体中の関節がギシギシする感じは45歳ころに感じました。

 

母が晩年リウマチで苦しんだこともあり、遺伝的なことも気になってリウマチ科のあるクリニックで検査をしてもらったことがあります。結果、リウマチ反応は陰性。医師いわく、「温泉でもはいってればなおりますよ」と、医師が提携しているスパを紹介されました。

なんとなく納得いかない感じで病院を後にしたのですが、まあそんなにひどい症状があったわけではなかったので、様子をみることにしました。

関節痛が女性ホルモンの低下から起こることは、今では当たり前に知っていますが、その頃はメノポーズカウンセラーの資格をとる前だったので知識がありませんでした。

 

もちろん婦人科でないリウマチ内科の医師からはそのようなアドバイスはなく、もし私がHRTやっていなかったらもっとひどい症状になっていたかもしれません。

 

それからしばらくして症状はおさまり、今で7〜8年経過しましたがまったくそのような症状は出ておりません。

 

関節の痛みとホルモン研究会
つい先日、”関節の痛みと女性ホルモン研究会”という勉強会に参加させていただく機会に恵まれました。

 

女性ホルモンに詳しい婦人科の医師なら、関節痛が女性ホルモンに関係しているもの当たり前に知っていいても、婦人科でもない他科のお医者様にはほとんど認知されていないのが現状であり、関節痛に関しては主に外科や内科が担当になってくるため、かなりその判断は難しいようです。

 

この会の主催者、慶宮医院理事長の宮地清光先生は、内科、リウマチ、膠原病がご専門ですが、近年はHRT(ホルモン補充療法)を処方することで更年期の関節症状との鑑別と、確実な成果を挙げておられます。

 

婦人科でないお医者様がHRTに着目し、実際に使っていることは非常に珍しく画期的なことです。

 

行き場のない更年期関節痛に悩む方をなくすため、リウマチ内科、整形外科、婦人科、内分泌科いの連携をする趣旨のもと開催されました。

 

医師でも判断が難しい関節リウマチ

関節リウマチの発症のピークが45歳〜55歳ということで更年期時期とも重なっており、この時期のエストロゲン低下による自己免疫疾患が増加するように感じるとおっしゃっています。

 

早期関節リウマチでは検査をしてもリウマチ反応が出ないこともあるそうです。

 

痛みの訴えが強い患者さんにリウマチ反応が出ていなくても、見分けるのが難しい為通常のリウマチ治療をしたところ、改善されなかった方がいたそうです。

 

その患者さんは痛みの訴えがひどく、よく話をきいてみるとめまいやだるさなどもある、ホルモンの数値からも更年期ではないかということで、小山先生(更年期と加齢のヘルスケア学会理事長、小山嵩夫クリニック院長)のクリニックでHRTを処方。すると2ヶ月ほどで症状は消失したとのこと。

 

そのような経緯から、45歳〜55歳は更年期の関節痛を疑うのが自然だとされています。

 

そこで鑑別方法としてHRTをもちいられ、成果をあげていらっしゃるのです。

 

でもまだまだこの考えのない専門医師はたくさんいるとのことです。

 

HRTガイドラインの作成委員長も務める岡野浩哉先生のお話
 
 
この日、日本産科婦人科学会、日本女性医学学会によるHRTガイドラインの作成委員長を務める飯田橋レディースクリニック院長の岡野浩哉先生が講演されました。

 

岡野先生は国際的な研究からのHRTの情報をお話ししてくださいました。

 

今から15年前の米国大規模臨床試験であるWHI(Women’s Health Initiative)研究の中間解析結果から、HRTは乳がんリスクを高めるとされ、大々的に報道されて、世界の更年期医療に大きな影響を与えました。

 

しかしその後の研究から国際閉経学会などの専門機関で見直され現在では次のように発表されています。

 

・HRTが原因とされる乳がんリスクは非常に小さい
・50歳以上の女性のHRTと乳がんリスクについて、エストロゲン単独の治療ではリスクが増加し、黄体ホルモンの併用の治療では減少するとみられる。HRTによる乳がん予防も期待できる

 

つまり、適切な年齢であり適切な量を補充すれば乳がんの発症はあまり心配しなくてもよく、むしろ予防的効果が得られる、ということになります。

 

日本だけでなく世界でもこの10年間は間違った認識が流布されてしまったため、”失われた時間”であったとお話しされていました。

 

映画の Back to the future をたとえにされ、今やっとその10年間を見直し再びHRTは国際的に使われているとのこと。

 

しかし日本においてはどうなのでしょう。
10年前も普及率はたったの2〜3%であり、欧米の60%の普及率からもともとかけ離れて低い普及率であったため、現在では1〜2%まで落ち込んでいると推測されます。

 

そのため更年期でも行き場のない女性が溢れかえっているのが現状なおではないでしょうか。

 

岡野先生のお話しに戻ります。

 

 WHIの試験を中止した後、HRTをやめたらやっていた人はどうなったのか?

 

1年後にもう一度調べたら関節痛、ホットフラッシュの人は増加していたそうです。

 

以上のようなお話しからも、更年期時期の関節痛はまず更年期関節痛を疑ってみるべきでしょう。

 

今後日本でもHRTがもっと普及すれば、多くの女性が救われることでしょう。すべての更年期女性が安全で適切な治療が受けられて、健康を守ることができる日が来るのを望むばかりです。